福生通信

自転車であちこちに行った備忘録

須走(富士あざみライン)

須走を登らずしてヒルクライムを語るべからずと巷では言われている(嘘)。ここを登らないで激坂の何を語れるのかと突っ込まれるとグーの根も出ないので(グーの根ってなんだろう)、体験しておくことにした。
急遽遠征表明したにも関わらず、話に乗ってきた「ゆ」さんと車で富士吉田まで行くことにする。
朝5時半に八王子を出発。途中朝食などを食べて河口湖ICを降り、道の駅「富士吉田」に着いたのは7時を少し回っていた。
今日はとても天気が良い。気温は20度。高地なので涼しい。支度をして、いざ須走へ。
山中湖まで軽く登り基調である。あいかわらずの寝不足だが体調もまずまずで足も軽やかに回る。スワンの浮かぶリゾート地、山中湖畔を走って篭坂峠に向かう。篭坂峠は標高差100mで距離3km程度なのでちょうどウォームアップにいい感じである。峠から裾野の景色を見ながら一気に400mを下る。そして須走口に到着。
距離11.5km、標高差1200m、平均斜度10.5%、最大斜度22%と言われる富士あざみラインが見事な富士山の姿を背景にして目の前に現れる。
最初のストレート約3.5km部分は8%程度である。まあ普通に漕いで前にすすむ。重いけど。
ストレート部分が終わるとワインディングの連続になる。なんでワインディングになるってことは真っ直ぐだと登れないからである。そう、ここからが凶悪な登りとなるのである。
ゆうに10%は越えようかと言う登りになる。しかも5kmあたりからパワーを食われてしまうようなカタガタな舗装である。白線とか補修後とかなるべく平らな部分を選んで登る。
ちょっと無理すると足が偸りそうな気がするので、なるべく余力を残して登る。残すって言っても残すほどの余力もあるわけではないが気持ちだけでも。
6km付近だろうか、ちょっと先に行っていた「ゆ」さんが自転車を降りて押している。押している理由はわかる。超の着く激坂だからだ。ダンシングでようやく登れるような斜度である。シッティングで力を入れるとフロントが浮いてしまう。20%くらいなのだろうか。
失速してしまわないように必死で登る。時速は4,5kmである。
この斜度がしばらく続くのだろうか?500mも続くものならば間違いなく自分も乗ってはいられないだろうと考えていたら2コーナーで激坂は終わってくれた。すこし足を休めることができる。と言っても休める坂がゆうに10%は超えている。もう斜度の感覚が麻痺してくる。
そんな感じで激坂〜普通の坂の繰り返しで登っていく。
残り1km切ってGPSを見るとまだ1860m。標高2000mだからまだ激坂が続くってことだ。だがこの坂にも慣れてきたのだろうか、あまりふらふらしないで登れるようになってきた。
路上に沢山の車が駐車されていて頂上が近いことがわかる。あと少しなので最後の力を振り絞り思いっきりダンシングで5合目にゴールする。登山客数人が拍手してくれた。乗鞍に初めて登った時のような達成感があった。3分程度遅れて「ゆ」さんも無事到着。
須走の5合目はこじんまりしていて3件ばかりの小さな売店が並んでいる。
頂上も天気は良くて9月になったとは言え日差し強く寒くはなかった。
登るときは奇麗に見えた富士山頂は雲に隠れてしまっていた。
自転車は自分達の他にはいなかった。
小休止して下る。下りは道が悪くタイトコーナーの連続なのでスピードは出せない。急な下りと道の悪さで腕とブレーキを握る手が疲れてくる。20分程度でスタート地点に着いた。あんなに苦労して登ったのに、ほんと下りはアッと言う間だ。
来た道を戻る。また篭坂峠を登るのだが須走側からだと300m登らなければならない。もう富士吉田まで行けば終わりなので全力で登ってみる。ここは並の峠だが、須走を思えばほんとうに全然ゆるく思えてしまう。
篭坂峠からは下り基調。道の駅富士吉田に着いたのは11時30分くらいだった。
帰りは山中湖の温泉に寄っていく。

走行距離58km、累計標高1600m、消費カロリ−1580kcal