福生通信

自転車であちこちに行った備忘録

つくばリンリンロード

廃駅のホームで缶ジュースを飲んでたら、おばあさんが話しかけてきた。
どこから来たのかだとかたわいもない話しから始まった。
この辺は静かでいいですねみたいなことを言ったら、
昔はこの駅前に沢山の人が歩いて店も沢山あって賑わっていんだよ。
真壁と言えば採石で盛んで、いつも爆破の音が響いていてね、
私は真壁で生まれて育ったんだけど採石も下火になり、鉄道が廃線になりすっかり廃れてしまったのよ。
 
ホームにはその名産の御影石で出来た椅子が置いてあった。
 
廃線となった筑波鉄道跡地を利用したサイクリングロードは土浦駅から岩瀬駅まで約40kmの距離がある。
土浦駅側から出発。
全行程、完全に平地でほとんど真っすぐ、左右は田んぼや畑が続く。
少々舗装が荒れてるのと、農道との交差点が多く、その大部分は一時停止となっているのが少し走りにくいが、左右は開けているので、出会い頭に衝突なんて心配はあまり感じない。
しかしこのサイクリングを知ったのは前日に見た、事故の記事だった

残暑は厳しいが、風は少し涼しくなったので、走っていると気持ちがいい。


廃駅はいくつか残されていて、そこはトイレと水場がある。

 

土浦駅周辺以外はほとんど店らしい店が無い。
筑波駅の先にセブンイレブンは一件あるが、こんなとことまで来て、日常と変わらない店はさすがに寄る気がしなかった。
とりあえず終点の岩瀬駅まで走ってみたが、水戸線の駅だと言うのにここも飲食店は全く無かった。

一駅戻った真壁駅跡がいちばん栄えている。
駅前に軽食屋とそば屋があったので軽食店の方へ入って焼きそばを食べた。
おばちゃんが作った、素朴な味が美味しかった。

 

真壁は古い建物が残っていて、それが観光になっている。
しかし先日の震災で瓦屋根が軒並み落ちてしまい、ブルーシートが掛けられていて無惨な姿だった。
また綺麗な街並に戻ることを切実に祈るばかりだ。

 

サイクリングロードで来た道を戻る。
話しかけてきたおばあさんは、この真壁で生まれ育ったらしい。
高度成長期、筑波鉄道はこの道を沢山の人の夢と希望と人生を乗せて走っていたのだろう。
そして、あのおばあさんも若い頃、車窓からこの景色を何度となく見たのだろう。