福生通信

自転車であちこちに行った備忘録

草津

東京は快晴だったが、山に近づくと雲は厚くなり、国道145号線の八ツ場ダム建設予定地あたりから雪が降ってきた。
枯れた木々と、建築途中の雑然とした風景に薄く積もり始めていた。
やがて頭上に巨大な橋梁が見えてくる。
八ツ場ダムが完成した時に、湖を渡るための橋だ。
車を止めて眺めてみる。
エンジンを止めると工事は休みなので静まりかえっていた。
並走している吾妻線の古い車両がゴトゴトと過ぎて行く。
当初の目的を失うであろうその橋は、まるでダリの絵画のように、どこか非現実感を漂わせていた。

 
草津の街に着くと雪は本降り。
チェックインまで時間があるので、熱帯園を見物してみる。
開業より40年経っているらしいドームの中に入ると、獣臭い匂いがする。
夢の島の熱帯植物園みたいなのを想像していたが、かなり趣が違うようだ。
それほど広く無いドームにはワニや爬虫類、小型の動物が飼育されている。
夢の島の熱帯植物園みたいなのを想像していたが、かなり趣が違うようだ。
開業より40年経っているドームはかなり老朽化している
なんだか楽しいのか楽しくないのか、よくわからない施設だった。
とりあえずリピートはしたいと思わなかった。

 
宿に行くには湯畑脇の雑踏の狭い道を車で通らなければならなかった。
今までここは車を乗り入れてはいけない場所かと思っていたが、宿が湯畑前なので通らないわけにいかない。
湯畑フロントを予約してあったので、部屋のテラスからは見事に湯畑が一望できた。
しかしテラスにコンクリートの柵があるので、窓際に立つか、テラスに出ないと見えなかったのがちょっと予想外。
食事もサービスもそれなり、施設もちょっと老朽化気味でだが、湯畑から直接引いたお湯が濃い感じで、今まで入った他の温泉とは違ってた。

 
伝統ある名泉での年越しは厳かなのかと思いきや、23時30分ころから湯畑でそれほど上手じゃないコピーのロックバンドが演奏を初めて雰囲気ぶち壊し。
音楽イベントもいいけど、これじゃ何もしないで静かな年越しの方がぜんぜんいいと思えた。
 
新年になって、光泉寺に初詣行く。
並んでいたので初詣の順番待ちかと思ったら、除夜の鐘の列だった。
せっかくなので、そのまま並んで鐘を付かせていただく。
お参りして、ふるまいの甘酒を貰い、ホテルに戻る時には、湯畑のライトアップも消えていて、人気もまばらで、年越しのイベントも終わりって感じだった。