福生通信

自転車であちこちに行った備忘録

クリスタルラインと昇仙峡

早朝の南アルプスがマゼンタの朝日を浴びて浮かび上がっている。山頂付近には少しだけだが雪が積もっているようだ。
今日は天気予報で木枯らし一号が吹くと言っていた。

道の駅「まきおか」は標高546m、7時17分の気温は7度。
着ていくウエアに悩んだあげく選んだ物は、
冬物インナー、半袖ジャージ、ウインタージャケット、レーパンの上にパッド無しのタイツ、ウインターソックスとバイクソックスの二枚重ね、冬用のグローブ。
イヤーウォーマーを忘れたので手ぬぐいを頭に巻く。ウインドブレーカは2枚携帯する。
まずは牧丘牧場を目指す。スタートから登りである。すっかり雪をかぶった富士山が綺麗に見えた。
しばらく登るとウインタージャケットでは暑くなる。余計な汗をかくと下りで冷えるのが嫌なのでジャケットは脱いで半袖のジャージで登る。
体は暑いが腕は寒い。アームウォーマーが欲しいところである。
牧丘牧場まで登ると標高は1500m。牧場はひっそりと営業していた。
少しだけ補給してすぐに焼山峠へと向かう。もう半袖では寒くてジャケットを着込む。体は寒くないが、手足は冷えてくる。
焼山峠は近いのですぐに到着。ここはトイレがある。止まっていると寒いのでまたすぐにスタートする。
木々はもうすっかり落葉して、あとは冬を待つばかりと言った様相である。
乙女高原を過ぎると下りになる。下りが凄く寒い。
途中でウインドブレーカーを着たが、体が固くなってスピードが出せない。対向車でも来ようものなら、回避のブレーキングも危うい感じだ。
気温は2,3度ではないだろうか。やっとの思い出下り切る。
木賊峠の方向に厚い雲があるのは見えていたのだが、まさか今日初雪を見るとは思わなかった。
先の道のりを危惧しながら木賊峠を目指してちらつく雪の中を登る。

やはり11月に標高1000mを超える山岳をロードバイクの軽装で行くのは少し無茶なのかもしれない。
しかし気温は逆に上がっているようで登りは暑くなり、また半袖ジャージになる。
標高1700mの木賊峠に到着する。この時は雪は止んでいて、先の道のりは晴れていた。ひと安心である。
ここからはクリスタルラインとさよならして、昇仙峡ライン方面に向かう。ずっと下りである。ジャケットとウインドブレーカーを着込んで下り始める。
斜面が北側になり日射しも無くここの下りは本当に寒かった。手足も痛いくらい冷たくなる。また坂も急でタイトで下るのに疲れる。
観音峠で止まった時にはあまりの寒さで、今回はもう最短コースで帰ろうと同行者に提案するほど士気が下がってしまう。
標高1000m付近まで降りてくると大分寒さは和らぐ。また走る気力が湧いて来たのでやはり予定のコースを行く事にする。
このまま真っすぐ下れば昇仙峡だが、迂回して、黒平経由で能泉湖に向かう。

能泉湖に到着すると、今回初めて人が沢山いる場所に出た感じがした。そのまま昇仙峡まで降りて行く。
紅葉狩りピークは過ぎてるが、さすが有名観光地、人と車は沢山いる。
渓谷沿いの遊歩道は車両通行止めだが自転車は通れる。ゆっくり渓谷を眺めながら走って行く。
きっと自転車で走れるのは観光客の歩行者が少ないこの時期だけだろう。
遊歩道が終わると、少しだけ登り返して千代田湖を過ぎて、あとは甲府まで下りである。
途中で甲府の街と富士山が綺麗に望めた。

下り切ったところにコンビニがあったので小休止。暖かい肉まんと紅茶を飲む。
朝から自転車に乗っていて食べてるのは補給食、飲んでるのはボトルの水だけなので、これがものすごく美味しく感じてしまう。
この時点で時間はもう15時半を過ぎていた。暗くなるうちになんとか戻りたいので、青梅街道を少しだけペースをあげて走る。
甲府駅塩山駅を過ぎて、「まきおか」には16時50分に到着。今回は過去最高の総上昇量で2981mだった。
これで超級山岳は今シーズン最後である。
 
走行距離110km 総上昇量2980m 使用カロリー4200kcal 補給ポイント:昇仙峡まで何もなし。甲府に出てからコンビニ コースマップ